庭のDIY 準備編 - 造園前の準備と造園中の作業への注意
「計画」のステップの次は、造園をDIYで行うための「準備」のステップです。
DIYでは、作業を始める前の準備自体も楽しいものですが、それは造園でも同じです。
準備も楽しみながら行って、庭のDIYを満喫して下さい!
1, 庭のDIY作業用の身支度を整える
庭づくりをするにふさわしい服装をとり、また庭づくりに必要な道具を揃える準備からスタートしましょう。
服装は動きやすい服装で
作業着をわざわざ買わなくても、着古した普段着で充分。動きやすいのが一番です!
私たちは、けがや日差しから身を守るため年中長袖です。
靴は地下足袋が一番動きやすいですが、汚れても気にならない靴なら何でも良いと思います。
長靴はスルッと履けるし、土が入ってこないので必需品です。
庭づくり用の道具を揃える
造園の作業には、穴を掘る・土を盛る・据え付ける・突く・均す・削る・切る・割る・・・
様々な作業の複合ですので、その分道具もたくさん要ります。
道具は大事にすれば長持ちし、後の修正や維持作業に重宝しますので、必要な分だけ買い揃えても良いと思います。
ブルーシートは、雨を凌いだり・仮置きに敷いたり・枝や草を集積したり・・・洗って何度も使えるので造園には必需品です。
夏は熱中症や虫刺されに注意!
夏のドリンクのオススメは梅ジュースです。
夏前に青梅を氷砂糖やハチミツで漬けて、暑くなる時期にちょうど良い頃合いになります。日本人の知恵は本当に素晴らしいです。
ハチにはガンタイプのハチジェットがオススメです。
2, 手順計画する
作業工程を計画することは、時間と労力を無駄にしないための重要な第一歩です。二度手間にならないよう、書き留めておくと安心です。
植栽の時期
- 植える時期:植物にはそれぞれに環境の好みがあり、植える時期を間違えると衰弱し枯れてしまいます。
- 土の好み:植物には土の好みもありますので、事前に調べておくと枯損を避けられます。
工程別にも詳細計画が必要
- 他の作業への影響:例えば植栽の場合、そこに植えたばかりの庭木があるがために、他の作業に支障が出る、材料や機材を搬入するのに邪魔になる、灌水をしなければいけないので足元がベタベタ・・といった「後の祭り」はストレスにもなります。
- 残土はどうするか:植栽は植穴を掘りますが、その残土はどうするか。良い土なら土壌改良して利用できますが、そうでない場合は移動させるか処分になります。
3, 庭の環境をチェックする
庭の立地環境は、植栽するにあたり非常に重要です。また、生活の利便性を合わせ考えておくと、庭がより快適な空間になります。
日あたり・日照時間・気象
- 庭が南側か北側か:植栽の選定に重要です。
- 風向き:防風対策・フェンスや支柱の設置時に参考にします。
- 夏の日照・冬の日照:木陰をつくりたい時の位置決めや、部屋に入り込む日差しの調節の参考になります。
周囲の環境
- 建物が隣接している:日あたり・風通し・視線・背景・枝が越境しないか
- 道路に面している:行き交う人の視線を向けるか遮るか・枝が交通の支障にならないか・垣根・フェンスは必要か
- 周囲の地熱:隣接した地面が土か舗装かによって、照り返し温度が大きく異なります。
4, 生活の動線をチェックする
お庭が完成した後、家族の生活がどんな影響を受けるのか、日々の暮らしに支障はないのか、訪問するお客さんに対してはどうかなどをチェックしましょう。
通路
- 利便性:家族の毎日の通路は最短・便利に・障害物がないことが良いですね。お客さんや法事用の通路は、歩きやすく且つ趣のある風景につくります。雨の日に滑らない素材を選ぶと良いでしょう。
- バリアフリー:家族の年齢層を考慮して、スロープや手すりの設置も視野に入れておくと良いと思います。
眺めと出入り口
- 眺め:庭をどの部屋から眺めるかで、向きが変わります。見せ所も角度によって全く違います。家族が集う場所や天気を見る窓から、庭が一番良く見えるように設計します。
- 庭への出入り口:外への出入り口は広く段差が小さい方が便利です。BBQで食材を運んだり、趣味の手入れをしたり、洗濯物を取り込んだり・・・ウッドデッキや縁側・沓脱石を設置して、お庭を存分に楽しんで下さい!
5, 庭の地盤をチェック
庭となる地盤を知ることは、庭の設計や構成に役立ち、永く庭を育てられます。植栽に一番ネックになりますので、最初に対処しておくべき要点です。
砕石や地盤補強材が使われている場合
- 表面のある程度の深さを除去して、良質土に入れ替える
- 植穴を掘ってみて、水はけをみる。水はけが悪い場合は、浸透層に達するまで除去します
- 池や流れを造る時は逆に好都合になります。
庭づくりに支障が無い地盤の場合
- 既存土を掘削・撹拌して地ごしらえします。
- 客土をして整地します。
- 庭の地形づくりのみでOKです。
既存物があり撤去作業が必要な場合
- 樹木の伐採・伐根、残す木の検討をします。
- 上物の撤去・移動:建物、庭がある場合、解体工事になります。解体業者に問い合わせます。その際に残したい物、仮置きする場所の確認もします。
- 整地・地形づくり:掘削後の整地と残土処分・客土が必要となります。
- 分別・処分:解体後の発生ゴミの処理が必要です。
DIYのポイント
- 規模にも依りますが、これらの作業には重機・運搬車が必要です。この工程のみ依頼できる業者を探してみるのも一つの方法です。
- 処分にはそれぞれの処分場に持ち込みます。
・自治体処分場:分別区分や処分費が異なります。
・産業廃棄物処分場:有料
6, 材料をそろえる
買い物するのは楽しいですね!DIYの良さは自分で全部決めることにありますので、妥協せず気に入ったものを手に入れましょう。
ホームセンターで購入する
身近なのは、やっぱりホームセンターですね。ホームセンターによって品揃えも違うので、複数のお店に足を運んでピッタリのものを見つけて下さい。
今時のホームセンターは、運搬車を借りることもできるし、大口ならば指定の住所まで配達してくれるお店もあるそうです!
ただ当然ながらホームセンターは、手頃な値段で万人受けする品揃えなので、オリジナル感を求めるのであれば、園芸やガーデンインテリアを扱っているお店を探すと良いと思います。
カタログで探す
ホームセンターにエクステリア部門があれば、各メーカーの庭資材カタログがあるはずです。担当の店員さんに聞いてみても良いと思います。カタログはいっぱいあるので、とても面白いですよ!
DIYのポイント
- お店に行く前に実測する:実測に基づいて、必要な分だけ買うことが大事です。余って邪魔になる・足りなくて二度手間になるのは避けたいですね。
- 付随する副材のことも念頭に:そのものを仕入れるだけでなく、作業に必要な副材を忘れずに。作業工程を思い描くと、必要なものが見えてきます。例えば・・・
・レンガを積むにはセメントが要ります。セメントを扱うのに必要な道具も必要です。
・芝を張るには目土や肥料、均し板も必要です。
・敷石をするには砂や客土が必要です。
太田庭石より
これだけでも大変そうに思えますが、庭づくりは基礎・基盤が大事です。
基盤がしっかり出来ていれば、良いお庭が保てます。
自分で出来る範囲を試してみて、出来ない部分は業者さんに依頼するのもいいでしょう。